※この話は一部事実を含んだフィクションです。
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私の名前は新山新子。24歳。
・・・「他は?」って?
他は何もないわ。私は自由人。何もしない。そう、何もかもを捨てた女。
虚無を愛する女。
それでいいの?って言いたいの?
いいに決まっているじゃない。俗世間にまみれ、時間に追われる人々。
そんなものって馬鹿らしいと思わない?私は私よ。誰も私の邪魔を
しちゃいけない。
そういえば、お母さんの話で昔のクラスメートのA美が結婚したって
聞いたなあ。私もちょっとだけ結婚したいかも?
私はかわいいから、男なんていくらでも群がってくるはず。
あ〜あ、白馬に乗った王子様、早く現れないかなあ。
白馬の王子様って言ったら、やっぱり美形で、年収最低3000万円は無いとね。
そして、私を常にエスコートしてくれるの。どんなときでも。
朝でも昼でも夜でも夜中でも。私がケータイかけたらいつでも30分以内に
かけつけてくれるの。そして、楽しい話をしながら車で綺麗な景色の
見えるところまで連れ出してくれるの。その景色は、私の一度も見たことの
ない場所。一度も行ったことのない場所。きっと、次に連れて行ってくれる
ところはもっともっとさらに綺麗な場所なんだわ。
でも、私、いつもそんなにテンションが高いわけじゃないから、テンションが
低いときには、無理して連れていかないでほしいわ。そこらへんは、ちゃんと
私の表情で気付いてくれる王子じゃなきゃダメだわ。
・・・。
最近、虚空を見つめる時間が多いわ。
医者からもらったあの薬。
飲むとなんだか気だるくなるのよね。全く、何入れてるのかしら。興味ないけど。
親から本や雑誌を渡してもらったけど、あんなの興味ないわ。
どうして私の好みを分かってくれないのかしら。。。そして私の部屋は
散らかっていくばかり。お母さんが持ってきたんだから、お母さんが片付けてよね。
お父さんはお父さんで、万年ヒラのサラリーマン。うちの家も、結構経つみたい
だからいい加減建て直しとか新築してほしいわね。
そもそも、私、本当にこの家の人間なのかしら。
本当は、どこかの家の人間のはず。
お付の人間がいて、家は庭付きで、怪しい人間が寄り付かないように常に
警備は頑強。監視カメラ、ドーベルマン、ちょっとヤクザ風な護衛の人達。護衛の中には
ひとり、滝沢君似の男の子もいるの。そして、私と彼は親密な仲に・・・。
身分は違うけど、そんな・・。滝沢君にならいいかも・・・。
私はこの家の人間じゃないけれど、それをお父さんやお母さんは隠している。
私はこの家の人間じゃないのに。
いつになったら教えてくれるのだろう。もしかして、私は誘拐された子なのかしら。
・・・。
最近、鏡を見ると”違う人”が鏡に立っている。
誰だろう。
私はここにいるのに。
私はここにいるのに”違う人”の顔が鏡に映っている。
不気味な顔。のっぺりとして、精気がなくて、半分死人みたいな顔。
オマエは私じゃない。オマエは誰? ・・・オマエは一体誰・・・?
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…まあ、人は、家族や一定のごく少数の人間としか交わっていないと客観性が欠け、
我侭、暴力的になりやすいです。
また、客観性の持てない人間は、一般論が言えず、協調性にも欠けます。
一概にこのような人を悪くは言えませんが、しかし、本人が世間に目を向けなくなると
客観性の欠如、常識のズレ、何に対しても消極的になる、
これの悪循環となります。
打開するには本人の意思で、自発的に、「何かをやろう!」
と思わなければならないのですが、なかなか難しいです。
だからといって、周囲が矯正しようとすると、余計に悪化してしまいます。
本人がものすごく面白い!と思うことを見つけたり、
簡単なことから少しずつ自信を付けさせたり、
それとか、死に直面するぐらいヤバい状態にさせたり
すれば、どうにか社会復帰できるかもしれないんですが・・・。
まあ、個人的には何にも無気力で、何も出来ない人のままで30歳超える様であれば、
どっか強制的に施設に入れるような法律でも作ればいいんじゃないかなー、
とか思います。
ああ、だからこそXXXな病院とかがあるのかな。
何はともあれ、ああはなるまい、と思ったのであった。 |
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